一水四見 物事はとらえ方次第

三重県では今日、公立高校の合格発表だったね。
思ったとおりの進路に進めた者、そうでない者。
希望通りの学校に行けなくても悲観することはない。

私は鈴鹿高専に進学したんだ。でもね、本当は大学に行って外交関係の仕事がしたかった。
親の経済的な理由で大学は諦めるしかなかった。
だから、失敗した人生かといったら、そんなことはない。

世の中、なにごとも自分のとらえ方次第なんだ。

「一水四見」って言葉がある。
ここに水がある、私たちにしたら「水」だよね。
でも魚にしたら「住処(すみか)」おうちなんだ。
天上界の人からみたら「宝石」、地獄の餓鬼から見たら「火」。
水ひとつとっても四通りの見方がある。

「手を打てば鳥は飛び立つ鯉は寄る 女中茶を持つ猿沢の池」

ポンっと手を叩く、鳥はびっくりして飛んで逃げる、鯉はエサをもらえると思って寄ってくる、女中さん(ウェイター)はお茶を配ってくる。
やることはひとつだけど、とらえ方によってこんなに違うんだね。

だから、目のまえのことを悲観的にみるのではなく、いいように捉えたい。

小林一三さんという実業家の方がいた。今の阪急とか宝塚を作った人だ。
その人が
「下足番を命じられたら日本一の下足番を目指しなさい。もしそうなったら誰も君を下足番にしておかないだろう」
と言っていた。
何事も与えられた場所で精いっぱい頑張ればいい。

釈尊の臨終の言葉「さぼらんと、がんばれよ」。

驕らず、腐らず、目のまえのことを愚直にやっていこう。

法話

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