愛知県から三重県に引っ越しすることになり、その旨を道院長に相談をしたところ、指導者になることを勧められ、見知らぬ土地で「己こそ己の寄るべ 己をおきて誰に寄るべぞ」だけを信じて、家族をサクラに、たった一人で始めることになりました。
「どうせ一から始めるのなら道場を建てよう」と思い、自宅の建設に合わせて、1階部分60畳弱を練習場所にして、2階を住居にすることを決断し、三重県での生活と少林寺拳法がスタートしました。
修行時代に、師匠から、「指示待ち人間になるな」「挨拶は自分から先にすること」「悪いことをするな」「親孝行は親が生きている今だ」「人に頼りにされる人になれ」「人の役に立つ人、地域の役に立つ人になれ」と言われた言葉が心に残り、今でも指導に当たっての基本となっています。
これまでの経験から、いざという時の「駆け込み寺」的な存在にしたいです。
行き先を失ったり、自暴自棄になって取り返しがつかなくなったりする前に、道場に来て、思い止まり、やり直すきっかけが得られればいいと思っています。
これからも、地域の方々から頼りにされ、親しまれる道院になることを目指していきます。
5歳児~小学生(1部)と、一般男女(2部)の拳士(女性の方が多い)が在籍し、家族のように、和気あいあいとした雰囲気の中で練習しています。
道院の立地は小学校の隣で、近くには神社を伴う小高い山があります。
少年部の練習では、時折、神社の階段を走ったり木登りをしたり、日ごろ学校や道院で経験できないことを、子どもたちの希望も聞きながら、練習メニューに取り入れています。
体を動かしたい、技ができるようになったらカッコいいという理由で入門しましたが、心身ともに成長できるという点で、他にはない学びの場となっています。
先生やともに学ぶ仲間は、一人ひとりに向き合い、技の上達や心の変化にも気付いてくれます。1つの技に時間をかけ、何度も繰り返し練習し、自分なりにコツを掴めたと感じる瞬間は、とても達成感があります。
また、生活の中でストレスを感じる時も、道場で仲間に会えば発散できますし、先生のアドバイスに励まされ、また頑張ろうと活力も見いだせます。
世代を超えて交流が持てることも、貴重な時間になっていると思います。