第114回特別講座「少林寺学び工房」ペン画の世界

金剛禅総本山少林寺三重海山道院 第114回特別講座「少林寺学び工房」を開催しました。今回の講師を務めたのは、高校2年生の濵田昊良君です。

 昊良君が描いたペン画が令和5年度の全国高文祭鹿児島大会に出品されることになり、その絵が本人の手元に戻ってきたのを機に、絵を描く技術面と心情面の、二つの方向から語ってくれました。講演のタイトルは「バカであれ」です。

 絵のテーマは「不安」、タイトルは「或(あ)」。これは芥川龍之介の小説「或る旧友におくる手記」を読んだ時に、「何か僕の将来に対する唯ぼんやりした不安」にとても共感したことから名付けたそうです。使ったペンは0.1~0.3のとても細いものであり、線を決して交差させずに、緻密に描きこんでいくことなどを意識したと話してくれました。心情面では、線の美しさには描いた人の心情がとても関わること、迷いの入らないように一本の線を描くことなどを話してくれました。

 また、ペン画を描く中で考えたこととして、「バカというのも良く考えたプラスの面があるんじゃないか。頭がいい人は考える力が強い人で、バカな人は考えない力が強い人をいうんじゃないか。一本目の線を描くときが怖いのだけど(その先が地獄だから)、その一本目がすっと描けた。考えん力が強かったから一本目に踏み込めたと思う」ということを話してくれました。その後は、絵の細かな解説をしてくれ、参加者を感心させました。

 緊張しながらも、35名の参加者に対し、およそ40分に渡ってお話ししました。講演終了後は絵を目の高さに下ろし、間近でじっくりと見てもらいながら様々な質問に答えました。参加した方々も顔を近づけて、食い入るように見つめ、あらためて感嘆していました。とても心地よい空間が作られ時間が流れていました。今後の彼の活躍を願ってやみません。

 特別講座「少林寺学び工房」は様々なジャンルで活躍する方に来てもらい、講演と実演をして頂き、自分の人生をより深く価値あるものししていくための「人づくり」の道として開催しています。「海山道院応援団」にご登録下さった方に優先的にご案内しています。是非ご登録ください。

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