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Shorinji Kempo

第121回少林寺学び工房「坐禅&法話の会」

令和6年11月17日、 少林寺三重海山道院 第121回特別講座「少林寺学び工房」を開催しました。
 紀北町矢口浦の善光寺(曹洞宗)で坐禅&法話の会。海山道院拳士の他、4名の一般参加を頂きました。
 まず約40分間の座禅。初めての人は3名。何も考えないなんて無理なこと、浮かび上がるいろいろにとらわれないようにすることで精一杯。呼吸に集中して時間が短く感じられました。
 続いて約50分間の法話。釈尊がまだシャーキャ族の王子であった頃、東西南北の門から出て、老病死を知り僧と出逢い、出家するに至ったことから始まり、四諦八正道や法句教を用いて説いてくださいました。牧野ご住職ありがとうございました。
 その後、少林寺拳法の演武を披露しました。少林寺拳法はもともと禅寺の修行法の一つです。曹洞禅の始祖は達磨大師です。達磨大師がインドから中国に来て禅を伝えました。そのときに坐禅行と共に伝えたのが易筋行(のちに少林拳と呼ばれる拳法の修行法)です。鎌倉時代に中国から日本に持って帰ったのは坐禅行の方だけだったので、日本では禅といえば坐禅行だけと思うようになりましたが、達磨が伝えたのは拳と禅の二つの修行法で、これは達磨禅と呼ばれているそうです。
 翌日、善光寺で坐禅会があったので参坐してきました。10名ほどの方が来られていました。女性の方が多く、心が落ち着いた、すっきりしたなど、それぞれの思いをお話ししていました。一人でも多くの人に禅に親しんでもらいたいなと思います。

第120回特別講座「少林寺学び工房」若き生節屋講演会

2024年6月15日
金剛禅総本山少林寺三重海山道院
第120回特別講座「少林寺学び工房」
生節屋三代目 奥村海斗君の講演会。
小学校の恩師、懐かしい顔、応援してくれる人々37名に囲まれ、
とてもあたたかい空気に包まれた講演会でした。
海斗君はきっとこの町を支える側にまわってくれる人だと、
話を聞いた人は思ったことでしょう。
講演会を終えた後も多くの方が海斗君を囲んで長く話しこんでいる姿を見て、とても嬉しくなりました。
遠くは和歌山県那智勝浦町から来てくれました。
来てよかった、来てよかったと何度も言ってくれました。
これからも「人づくり」にこだわって、
より良い「少林寺学び工房」を企画していきたいと思います。

2024年度全国道院長研修会にて

2024年5月18日19日、本山にて全国道院長研修会が開催されました。

総本山少林寺の建物の内外を写真で紹介します。

2024入門式

2024年5月1日入門式を行いました。

4名の入門です。

「なぜ少林寺拳法を学びたいのか」「学んでどんな人になりたいのか」という問いかけを必ずします。

「大切な人を守れる人になるために」「強くなりたい」「強くなって他人を守れる人になりた

い」など、自分の入門の動機を話してくれました。

「見学と体験を重ねて、海山道院の人達の中に自分も加わりたいと思った」とも話してくれました。

これは本当に嬉しい言葉でした。 

技には厳しく、人には優しく、技術と精神(こころ)の修養の両方を大事に修練を重ねてきた、海山道院のみんなのお陰です。

入門式のあとは修練を行いました

 

 

 

 

 

修練の場に感謝(大掃除)

2023年12月27日、修練の場である「相賀憩いの家」の大掃除をしました。大掃除は、場に対する感謝の心を形にしたものだと思います。大切にしたい伝統文化の一つです。指示は「自分の意志で動くこと」だけです。みんな良くやってくれました。小さい道院ですが、自分から動ける拳士が誇りです。

第116回特別講座「少林寺学び工房」味の立役者「出汁」の世界

三重海山道院では、少林寺拳法の修練の他に、特別講座を開催しています。
第116回特別講座「少林寺学び工房」を、紀北町の「だし屋濵甚」さんの協力で開催しました。27名の方が参加してくれました。
 まずは3種類のだし(濵甚さん製造のだしが2種、市販のだしパックが1種)を紙コップに注ぎ、濵甚さん製造のだしではないだし(つまり市販のだし)はどれかを当てるクイズからスタート(紙コップABC)。これはほとんどの人が当てました。飲み比べると分かるのですが、Bだけいろんな味がしていました。「イワシの味がする」「昆布の味がする」など、僕には気づけなかった味に言い当てる人もいて、再度味わってみると、なるほどと思いました。原材料を読むと確かに入っていました。すごい。AやCに少し醤油を加えたりカレー粉を加えたりもして味わってみました。これも面白かった。
 次に枯節のだしを味わいました。先程の荒節の厚削り(A)や薄削り(C)と飲み比べてみると、荒節は枯節に比べて魚感があるのです。比べるってすごいですね。
 ここからみんなのワクワクスイッチが入り、それぞれが持つ疑問や感想を話し始めました。一人の質問にみんなが耳を傾ける、学びが途切れない。学校の先生なら感動ものの学びの光景がありました。
 遠くは御浜町からも小学校の先生が参加してくれました。子ども達がだしを通して深く学ぶ家庭科の授業を作ってくれたら嬉しいな。長島の栄養教諭さんも参加してくれました。濵甚さんの説明をメモをとりながら真剣に聞いてくれました。きっと子ども達が夢中になって学ぶ食育の授業を作ってくれるだろうな。子ども達のために新しい授業を考えようと、距離や時間を顧みず一生懸命に学んでくれる先生がいるだけで、僕は嬉しくなります。
 本当に良い会になりました。濵甚さんにありがとうございました。

 

第115回特別講座「少林寺学び工房」小倉裕司講演会

令和5年5月3日(水)第115回特別講座「少林寺学び工房」を開催しました。

ゲストは「ヒトとヒト、ヒトとモノをつなぐ おわせマルシェ」のオーナー 小倉裕司君です。

なぜ、おわせマルシェを始めたのか。

おわせマルシェで何をしたいのか。

これからやりたいことは何か。

の3つを軸に話をしてもらいました。

 

尾鷲を出て他県に行き、尾鷲の美味しい魚や自然を紹介するうちに尾鷲の良さに気がついた。

他県にいたとき、金はたくさん稼いだしずいぶん高価なものも買った。

何かを買うたび、何かむなしくなることに気がついていた。

お金は道具、道具であるお金に振り回されたらいけない。

あの頃は振り回されていたと思う。

 

尾鷲には世界的な画家が住んでいる。

都会に暮らしをやめて、尾鷲に住んでしまった。

東大の大学院を卒業した人が尾鷲市に住んでいる。

尾鷲に縁もゆかりもない人が喫茶店を出して頑張っている。

他県から尾鷲に移り住んで、この町を元気にしようと頑張っている人がいる。

自分に何ができるのか、何をしたいのか考えた。

 

尾鷲の町を盛り上げたい。

東紀州を盛り上げたい。

町を盛り上げる時には3つのものが必要である。

「人」と「知識」と「場所」

人と知識はあっても、場所がない。

だから場所を作った。

人と人をつなぐための場所。

 

(質疑応答)

「地域を盛り上げるにはどうしたらいいですか?」

話をすること、夢を語ること

夢や理念をたくさんの人に語ることだと思う。

理念とはゴール。

その組織のゴール。

理念の共有が大事。

 

「壁にぶつかった時にはどうしますか?」

一度は全力で逃げる。

そして他の誰かの助けを借りてもう一度ぶつかれば、なんなく乗り越えられた。

 

「好きな食べ物は何ですか?」

カレー。

DIYでおわせマルシェを作っている頃、夜遅くにカレーを作ってくれた。

このカレーがうまかった。

これが今のメニューの「チキンバターカレー」になった。

本当に美味しいので是非食べてほしい。

 

裕司君は今真っすぐに生きています。

若い人にはこの真っすぐなエネルギーが何より必要です。

次々に現れる壁に、裕司君の道は途切れそうになりましたが、多くの方のつながりや助言、尽力に支えられて裕司君の道はつながりました。

良き縁に恵まれておわせマルシェは誕生しました。

皆さん、東紀州にお越しの際は是非おわせマルシェにお立ち寄りください。

 

講演の後、少林寺拳法の演武を披露しました。

稽古不足で失敗多かったのですが、その分リアルに迫力が出たかもしれません。(笑)  

2023賀楽多新春演奏会での演武披露

2023年(R5年)3月26日(日)賀楽多合同演奏会が開催され。太鼓グループ「賀楽多」さんの迫力ある太鼓と尺八、横笛の演奏の中、少林寺拳法の演武を披露しました。

少林寺拳法独自の修練体系である「組演武」は、演武を行う二人または三人で話し合いながら技を決めていきます。この過程においてコミュニケーション力が培われ、共にに上達するための真の協調性と創意工夫力を養っていきます。少林寺拳法の修練は本当に教育的です。

現在、学校では「主体的・対話的で、深い学び」を掲げ、ペア学習やグループ学習を主体とした学びある授業を展開していますが、少林寺拳法は武道の世界において既に70年前から「主体的・対話的で、深い学び」を実践していました。道院長である私は現在小学校の教頭を務めていますが、本当に少林寺拳法は素晴らしい教育システムを有していると思います。    

三重海山道院設立20周年 道院長勤続20年表彰

三重海山道院を設立して20年となり、道院長勤続20年の表彰を本山で受けてきました。三重海山道院を20年間続けて来られたのは妻のお陰なので、一週間後になりましたが、ようやく妻に表彰状を渡せました。特別講座「少林寺学び工房」のゲストをもてなしてくれたり、合宿で皆の食事を作ってくれたり、新春法会の後のぜんざいを小豆から手作りしてくれたり、お楽しみ会のくじ引きを作ってくれたり、拳士にとって楽しみが広がるようにと、妻が本当に多くのことをしてくれたので海山道院が20年続いてこれました。

妻に表彰状を渡した後 、妻が拳士の皆に少し話をしました。中学校の先生をしていたので土曜日曜は部活動か少林寺で、家族と過ごした時間は本当に少なかったこと、子ども達はどこかへ遊びに連れて行ってとは言わなかったこと、仕事だけでも忙しい中、ボランティア活動や町おこしイベント、少林寺など、自分の利益にならない活動を続けてきたのはえらかったこと、少林寺を通していろいろな人に出逢えたことなどです。

道院長は門下生がいてくれて道院長になれるのであり、教えと技法を学んでくれる人がいてくれるから伝えられるのであって、これからも謙虚に、信念をもって道院を運営していきたいと思います。今回の表彰は妻や門下生を始め、三重海山道院を応援してくれた方々、みんなと一緒に受けた表彰なのだと思います。

第114回特別講座「少林寺学び工房」ペン画の世界

金剛禅総本山少林寺三重海山道院 第114回特別講座「少林寺学び工房」を開催しました。今回の講師を務めたのは、高校2年生の濵田昊良君です。

 昊良君が描いたペン画が令和5年度の全国高文祭鹿児島大会に出品されることになり、その絵が本人の手元に戻ってきたのを機に、絵を描く技術面と心情面の、二つの方向から語ってくれました。講演のタイトルは「バカであれ」です。

 絵のテーマは「不安」、タイトルは「或(あ)」。これは芥川龍之介の小説「或る旧友におくる手記」を読んだ時に、「何か僕の将来に対する唯ぼんやりした不安」にとても共感したことから名付けたそうです。使ったペンは0.1~0.3のとても細いものであり、線を決して交差させずに、緻密に描きこんでいくことなどを意識したと話してくれました。心情面では、線の美しさには描いた人の心情がとても関わること、迷いの入らないように一本の線を描くことなどを話してくれました。

 また、ペン画を描く中で考えたこととして、「バカというのも良く考えたプラスの面があるんじゃないか。頭がいい人は考える力が強い人で、バカな人は考えない力が強い人をいうんじゃないか。一本目の線を描くときが怖いのだけど(その先が地獄だから)、その一本目がすっと描けた。考えん力が強かったから一本目に踏み込めたと思う」ということを話してくれました。その後は、絵の細かな解説をしてくれ、参加者を感心させました。

 緊張しながらも、35名の参加者に対し、およそ40分に渡ってお話ししました。講演終了後は絵を目の高さに下ろし、間近でじっくりと見てもらいながら様々な質問に答えました。参加した方々も顔を近づけて、食い入るように見つめ、あらためて感嘆していました。とても心地よい空間が作られ時間が流れていました。今後の彼の活躍を願ってやみません。

 特別講座「少林寺学び工房」は様々なジャンルで活躍する方に来てもらい、講演と実演をして頂き、自分の人生をより深く価値あるものししていくための「人づくり」の道として開催しています。「海山道院応援団」にご登録下さった方に優先的にご案内しています。是非ご登録ください。