幼少の頃より指導してくださった宮本 治前道院長が、私に病を伝えず、一人で戦っていました。
実は、病院関係者より病の状況を聞いており、最悪の事態を覚悟していました。
余命宣告された期間よりは長く生きられたものの、日に日に体調は悪化していき、あまりに急な別れでした。
亡くなられる前日、関係者より連絡が入り、道衣のまま病院に駆けつけましたが、その時が最期でした。
『わしの後はお前しかおらん』と、ずっと期待をして育ててくださいました。その期待に何とか応えたいと思い、道院長になりました。
個性を伸ばすことです。人によってそれぞれ個性があり、得意なことも不得意なこともあります。
その中で、一人ひとりが楽しいと思える環境をつくることが非常に大切だと考えています。
目標をつくり、チャレンジする姿を応援してくれる人がいるだけで、すごく心強くなります。そうすることで成長を促し、社会で活躍できる人になれると思います。
どれだけ少林寺拳法が上手くても、どれだけ学科の点数が高くても、社会に影響を与えないものは存在しないのと同じです。
必要な成長をしたら、それを発信できるような自信を身につけることができる。そんな人になってもらえることを目標に指導に当たっています。
皆の笑顔があふれる道院にしたいと思っています。
日々の修練は厳しいものです。修練を甘いものにしてしまっては、修行の本質から外れてしまう危険性があります。気力や体力が伴わなかったり、護身術としての効果が出ず、いざという時に、大切な人も守ってあげられないなんてことになりかねません。
だから、必要な厳しさというものがあります。
ただ、その厳しさと同じだけの優しさがある。
頑張った時には褒めてくれる人がいる。
落ち込んだ時には励ましてくれる人がいる。
そんな調和のとれた道院を目指しています。
小学校1年生から64歳までの、幅広い年齢層の拳士が仲良く修練をしています。
拳士がそれぞれ主体性をもって積極的に参加する、活気のある道院です。
全国大会や全国中学生大会、インターハイなどに出場し、入賞・優勝しています。
また、地域のイベントにも多々参加しており、地域の交流を大切にしています。
私は、15年間この道院で過ごしています。
その中で、たくさんの拳士と出会い、切磋琢磨して成長を重ねてきました。
少林寺拳法は生活の一部であり、少林寺拳法の教えが人生の基盤となりました。
今の私があるのは、道院長の元、この道院で過ごしてきたからだと思っています。