一言でいえば、良縁に恵まれたことです。
広島大学少林寺拳法部で技術の面白さに触れ、道衣の届かぬうちから、広島基町道院の修練にも参加させていただくようになりました。
そこで、道院長の木村隆司先生に、人間としての生き方を学び、いつかは道院長になって道をつなぐと心に決めました。
大学を卒業して数年たった頃、武専で京都音羽道院長だった大森眞玄先生に出逢いました。
京都へ月に1度通って、技術の研鑽と金剛禅を深く学ぶうち、道院を設立して、道を伝えていきたいと思うようになりました。
三重海山道院では、心と体の両方を養うことを大切にします。
心を養うために、法話を毎回行い、人として大切な生き方とは何かを伝えていきます。
体(技術)を養うために、全員が手作りの胴をつけて修練をし、本物の技術を磨きます。
「人材をつくる」道院です。どんな状況に置かれても、「自分のことだけではなく、他人のことも考えて行動できる人」を育てる道院です。
どんな職業に就いても、その職業を通じて社会に貢献しようとする人、どんな状況に置かれても、決して人生をあきらめない人を育てたいと思います。
そのために、様々な分野で活躍する人を道院にお招きして、講演や実演をしてもらう「少林寺学び工房」を、1年間に5~10回のペースで開催しています。
子どもから大人まで、みんなで一緒に修練をします。
異年齢の中で学ぶことは、双方に利点があるからです。
和気あいあいとしながらも、本物の技術になるように、厳しさも持って修練をしています。
護身の技術として、今日すぐに使えるものでなくてはいけないと、幼い子どもも頑張っています。
今までは、自分のことしか考えてなかったけど、少林寺拳法をして4年生ぐらいから、他人のことも考えるようになりました。それと勇気がもてました。(小6男子)
まず、いろんなことに感謝できるようになりました。縁を大事にすること、靴をそろえて脱ぐこと、正座ができるようにもなりました。それから、そんな日は来ない方がもちろんいいのですが、実戦の場面を、頭の中でシミュレーションするようになりました。(60代男性)
少林寺拳法をして、自分が変わったと思うことは、体が柔らかくなったこと、靴をそろえること、人を助けようと思えるようになったことです。(中学生男子)