最近、YouTubeで養老孟司先生が、『人の嫌がる仕事を楽しむ』ということをおっしゃっていました。
養老先生は、ご存じのとおり解剖学者でいらっしゃいます。解剖には『献体』があります。献体は、希望があればお盆・正月関係なく、すぐにご遺体を引き取りにいかなければなりません。当然、皆が嫌がる仕事であり、毎回誰が行くかを決めるのに苦心していたところを、養老先生は『自分と助手が引き取りに行く』というルールを作られたそうです。
ご遺体を引き取りに行くと、ご遺族の方から、その方の生前の人となり、生き方のお話を聞くことになります。そうやって、いろいろな方のお話を聞くことで、人生の深みを学んだ。そのことが現在でも自分の人生の大きな財産になっている、というお話でした。
養老先生の『財産』は、人の嫌がることをあえて引き受けることで、初めて得られたものです。
自分も会社員時代、嫌なことを避ける、逃げる人をたくさん見ました。そんな中、自分は、拳法で培った『逃げない習慣』で仕事に向かい、様々な経験をしたり、スキルを得ることができました。
人間の成長は、楽な道では起こりません。困難から逃げずに立ち向かう。しんどく苦しい経験を経ることで、成長するのです。だからこそ、みなさんも目の前の困難から逃げずに、すすんで立ち向かっていくことを『習慣』として身につけてください。(6/16 一般部法話より抜粋)