法話
Shorinji Kempo

天上天下唯我独尊

天上天下唯我独尊

これはお釈迦さんが産まれてすぐに7歩歩いて言ったとされる言葉なんだ。

「全宇宙の中、私という存在はたった独りで唯一の存在、だからここにいるだけで尊いんだ」

って意味。
子どもたちも私たち大人も、これから躓いて自分の存在価値に疑問になる時が必ずある。
そんな時はこのお釈迦さんの言葉を思い出したいね。

一水四見 物事はとらえ方次第

三重県では今日、公立高校の合格発表だったね。
思ったとおりの進路に進めた者、そうでない者。
希望通りの学校に行けなくても悲観することはない。

私は鈴鹿高専に進学したんだ。でもね、本当は大学に行って外交関係の仕事がしたかった。
親の経済的な理由で大学は諦めるしかなかった。
だから、失敗した人生かといったら、そんなことはない。

世の中、なにごとも自分のとらえ方次第なんだ。

「一水四見」って言葉がある。
ここに水がある、私たちにしたら「水」だよね。
でも魚にしたら「住処(すみか)」おうちなんだ。
天上界の人からみたら「宝石」、地獄の餓鬼から見たら「火」。
水ひとつとっても四通りの見方がある。

「手を打てば鳥は飛び立つ鯉は寄る 女中茶を持つ猿沢の池」

ポンっと手を叩く、鳥はびっくりして飛んで逃げる、鯉はエサをもらえると思って寄ってくる、女中さん(ウェイター)はお茶を配ってくる。
やることはひとつだけど、とらえ方によってこんなに違うんだね。

だから、目のまえのことを悲観的にみるのではなく、いいように捉えたい。

小林一三さんという実業家の方がいた。今の阪急とか宝塚を作った人だ。
その人が
「下足番を命じられたら日本一の下足番を目指しなさい。もしそうなったら誰も君を下足番にしておかないだろう」
と言っていた。
何事も与えられた場所で精いっぱい頑張ればいい。

釈尊の臨終の言葉「さぼらんと、がんばれよ」。

驕らず、腐らず、目のまえのことを愚直にやっていこう。

法話

道院長年頭あいさつ

新年あけましておめでとうございます。とは、言っていられない事態が起こっています。
私たち日本人は昔から災害と隣り合わせで生きてきました。明日、私たちが住んでいる地域に大地震が起こってもおかしくは無いのです。
釈尊は「吸う息を吐くのを待たずして命は終わる」と言っています。命とは儚いものです。
一方、数億年前にこの地球上に生まれた生命の誕生から今に至るまでたまたま繋がれた命のバトンを受けて、私たちが生きていることはそれ自体がとても尊いことです。
明日はないかもしれない、しかし「有難い」命、今しか存在しません。
この貴重な今を今年も精一杯頑張って生きていきましょう。
道院長

今日はなんの日?

今日は何があった日か分かる?
これ分かったらすごい。

今日はね、日本がアメリカの真珠湾を攻撃した日なんだ。
日本がねアメリカに戦争を仕掛けた日なんだ。

でもね、当時の日本人、アメリカに戦争で勝てると思っていなかったんだ。
だけど、戦争を始めてしまった。なんでだ?
自分で調べて考えて欲しい。

(知らな〜い)

何故、私たちが日本が戦争を始めた理由を知らないといけないか?
それを知らないと、今度は私たちが銃を持って戦争に行く日がくるからだ。

少林寺拳法は開祖の戦争体験から始まっている。
「もうこんな悲惨なのはまっぴらだ」
という想いだ。
だからこそ私たちは知る努力をしなければならない。

法話

日大アメフト部問題から考えるリーダーとは

日大アメフト部の問題って知ってるか?
おいおい、もう中学生ならニュースくらい興味を持とうよ。
 
アメフト部の部員が寮で大麻を使っていたそうだ。
それも複数人いるとのこと。
これで日大のアメフト部は廃部になるかもしれない。
 
これについてどう思う?
賛成だと思う人?
いや、部員が可哀想だろうって思う人?
先生(私)は廃部には反対だな。
 
本来、一番責任を取るべき監督がなんの責任も負っていないから。
成果はメンバーのもの、責任はリーダーのもの」なんだ。
 
私たちは「社会のリーダー」を目指して少林寺拳法を修行している。
リーダーとは厳しいものだけど、だからこそ楽しいんだ。
みんなもいつか必ずリーダーになってくれ。
しゅうれんふうけい

雲外蒼天 努力すれば叶うのか??

今日、藤井聡太さんが総理大臣顕彰をもらったそうだ。
その時、「雲外蒼天」って書いて渡したんだって。
 
これはね「どんな困難でも、努力して乗り越えたら青空がある」って意味らしいけど、私は嫌だな。
だってどんなに努力してもできないことって世の中たくさんある。
 
先生がこの歳で努力してバク宙ができるようになるか?ならないだろ?
 
だから、私は「雲外蒼天」の意味をね、こうとりたい。
今は曇り空の下にいても(苦しくても)、あの上は青空なんだ。
だから、今を諦めずにいれば、きっといつかは青空になる。
雲外蒼天

道具に善悪なし 〜力愛不ニ〜

道具に善悪はないんだよ。

例えば「包丁」、便利だよね。
野菜切ったり、果物の皮を剥いたり。
でも、それを人に向けたら凶器だよね。

じゃぁ、「包丁」は「悪」なのか「正義」なのか?

道具そのものに「正義」も「悪」もないよな。
それを使う人次第なんだ。

アメリカでは「オッペンハイマー」って映画が話題になってる。
原爆を作らされた男の映画らしい。
「原子力」はちゃんと使えば大きなエネルギーを私たちに与えてくれる。
でも使い方次第で「大量殺戮兵器」になる。

だから「力」を使う私たちの「心」を正しく鍛えなくてはならない。

修練風景

 

自分の限界を決めていないか?

自分で勝手に自分の限界を決めていないか?

楽だよなぁ、「どうせ自分はできないから」って言っていれば努力しないで済むから。

これね心理学では「セルフハンディキャップ」って言うんだ。
自分で限界を決めておくと楽でいいんだ。
でもな、ほんとにできなくなる。

これ勉強でも一緒。「自分はバカだから」って言っている間にほんとにバカになっちゃう。

できる、できないは努力した結果なんだ。
やる前に自分を諦めるな、楽をするな。

あの有名な安西先生だってこう言ってる。
「諦めたら試合終了ですよ」

修練風景

マスクひとつ、これも修行です

これから暑くなる季節のマスク着用についてだけどね、先生から一斉に「着けろ」「外せ」なんて言わないからね。

新型コロナウイルス感染症、これね、私の周りでも罹った人が今でも出てきている。
症状の軽い人もいれば、人によっては「喉を剣山で刺される様に痛い」って人もいる。

症状が軽くなってきたとはいえ、肥満であったり、喫煙者、他の病気で療養中の人にとっては今でも命に関わる病気だ。

今日も鎮魂行で「己こそ己のよるべ」唱えたけど、私たちは自己確立を目指している。
周りがマスクをつけているから自分もつける、外しているから外す、ではなくて、自分で判断しないといけない。

周りを見回して「えーっと」なんてのが一番あかん。

修練風景

嫌なことから逃げるな

嫌なことから「逃げ」てはいけない。
嫌なことから逃げると、いつまで経っても追いかけてくるぞ。

独りで「嫌なこと」に立ち向かえなんて言わん。
誰かの助けを使え。
誰かに「助けて」って言える様になれ。

熊だって背中を向けて逃げたら追いかけてくるぞ。
どうせ逃げるなら上手に逃げろ(笑)

修練風景